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「後払い×サブスク」で継続率2倍へ、メビウス製薬がShopifyで実現したEC改革の舞台裏

メビウス製薬は、「肌悩みに寄り添う」化粧品メーカーとして、長年にわたり多くの女性から支持を集めてきました。なかでも主力ブランド「SIMIUS(シミウス)」は、美白とエイジングケアを両立したオールインワンジェルとして、同社の成長を牽引してきた存在です。

2022年には複数事業を多角的に展開するINSTYLE GROUPに参画し、ブランドの再構築を推進。2025年には、毛穴ケアに特化した新ブランド「TRIPURE(トリピュア)」を立ち上げ、より幅広い年代へアプローチする展開が本格的に動き出しています。

こうした新たな戦略を支える土台として、同社が着手したのがECプラットフォームの刷新です。その中心となったのが、ShopifyのPlusプランを採用した公式オンラインサイト「SIMIUS公式通販」のリニューアルでした。

日本の通販市場特有のニーズをふまえた「定期購入(サブスクリプション)× 後払い決済」という顧客体験を、Shopify上で成立させることに挑戦。Shopifyが提供する高度専門サービス「Shopify Professional Services」との協働により構築しました。その結果、すでに次のような成果があらわれ始めています。

【ShopifyのPlusプラン導入による成果】

  • 定期購入の継続率が約2倍に改善
  • 後払い追加により、広告CPAが約半減
  • システムコストを約1/3に削減
  • 運用コストを約1/5に削減

今回は、この成果の背景と実装プロセス、そしてShopifyのPlusプランを核としたEC運営の変革について、株式会社メビウス製薬 エグゼクティブ・オフィサー 高橋宏祐氏、INSTYLE GROUP CTO 髙際兼一氏、株式会社メビウス製薬 CXチーム 安田零氏に話を聞きました。

株式会社メビウス製薬 エグゼクティブ・オフィサー 高橋宏祐 氏(中央)、INSTYLE GROUP CTO 髙際兼一 氏(右)、株式会社メビウス製薬 CXチーム 安田 零 氏(左)

単品リピート通販の限界と、次の一手を探して

長年、メビウス製薬では定期購入を前提とする「単品リピート通販」モデルを主軸に事業を展開していました。単品商品を継続的に契約してもらうモデルは、同社の成長を支えてきましたが、市場環境が大きく変化したことで、この成長パターンは転換点を迎えることになります。

特に大きかったのが、広告費の高騰です。かつてはリスティング広告やバナー広告などを中心に安定的に新規顧客を獲得していましたが、徐々に成果が出にくくなり、CPA(顧客獲得単価)は数年前の約4〜5倍に上昇。新規流入よりも離脱が上回り始め、純減フェーズに近い状態に差しかかっていました。

こうした状況を乗り越えるには、新規獲得効率の改善に加え、既存顧客により長く利用し続けてもらうためのLTV(Life Time Value/生涯顧客価値)向上も同時に進める必要があります。しかし、単品リピート通販の構造上、顧客が複数の商品を組み合わせたり、季節や気分に合わせて購入商品を変えたりする余地が小さく、体験価値の広がりが生まれにくいという課題がありました。

メビウス製薬 エグゼクティブ・オフィサーの高橋宏祐氏は、「単品リピートは『同じ商品を買い続けてもらう』前提のモデルです。しかし、化粧品は気分や季節などによって使い分けたいもの。当時の仕組みでは、そうしたニーズに柔軟に対応できませんでした」と振り返ります。

さらに、問題を難しくしていたのが、システム基盤の「ベンダーロックイン」です。外部決済や外部サービスとのデータ連携には対応しておらず、新しい決済手段を追加するだけでも数ヵ月の開発期間と高額な改修費が発生。たとえば、新しい決済方法の導入に3ヵ月で数千万円の見積もりがくるという状況でした。そのため、施策の改善・検証サイクルが遅れ、事業スピードが大きく制約されていました。

ビジネスモデルの転換を支える、柔軟なEC基盤を求めて

同社は、当時の複合的な要因が重なった状況では、部分的な改修だけで現状を打開することは困難だと判断。単品リピート通販型から脱却し、複数ブランドを束ねて顧客が自由に商品を組み合わせられる「可変型サブスクリプションモデル」への転換を決断します。そして、このビジネスモデル転換を実現できるECプラットフォームは、「Shopify一択だった」と高橋氏は語ります。

「まずは、ビジネスモデルを変えたい。そのうえで、それを実現できるカートは何かと考えると、シンプルにShopify一択しかありませんでした。前職でもShopifyを使っていて、構造として非常によくできていると感じていました」(高橋氏)

株式会社メビウス製薬 エグゼクティブ・オフィサー 高橋宏祐 氏

実は、高橋氏が入社した当初、社内では別のカートシステムを導入する計画が進行中でした。しかし、「長期的な改修コスト」「スピード」「ビジネスモデル転換への適合性」という観点から、高橋氏が経営会議で再検討を提案。前職での成功モデルの再現と、運用コストを大きく削減できる見通しを示したことで、最終的にShopifyのPlusプランの採用が決まりました。

Shopifyへの移行を決定後、同社は「後払い決済」を実装することで顧客体験を向上させたいと考えました。日本の通販市場では「商品を受け取ってから支払いたい」というニーズが根強く、後払いは顧客体験における大きな競争優位性となります。この要件に対応するため、同社は、Shopifyが提供するエンタープライズ向けの高度専門サービスShopify Professional Servicesを活用し、複数のShopifyパートナー企業とともに構築を進める方針を取ります。

Shopifyを軸にEC構築支援を行うハックルベリー、Shopify Japan、Shopifyグローバル本社に加え、後払い決済の仕組みを開発するキャッチボール。そこにメビウス製薬を加えた5社共同の開発体制で、「サブスク×後払い」機能を実装しました。

この取り組みでは、単に決済手段をつなぐだけではなく、定期購買アプリと後払い決済の連携設計、ワークフローやデータの動き、顧客が利用するマイページ上での操作導線までを含め、日本の通販運用に適した形へと組み立てています。

INSTYLE GROUPの髙際氏は、次のように振り返ります。「グローバル・スタンダードのサービスに日本の商習慣に合わせた機能を実装する難易度はとても高いです。Shopify Professional Servicesとの協働は、移行を現実的にするための大きな後押しになりました。それに、対応してくださったメンバーがとてもフレンドリーで、英語でのコミュニケーションでありながら、日本人の感覚に寄り添った進め方をしてくれたのも印象的でした」

INSTYLE GROUP CTO 髙際兼一 氏

Plusプランの拡張性で自社に最適化したプラットフォームに

SIMIUS 公式通販


「定期購入 × 後払い」を実装できたことで、メビウス製薬は可変型サブスクリプションの基盤を整えることができました。さらに、ShopifyのPlusプランがもたらした変化はそれだけにとどまりません。

これまで外部ベンダーに依存していたサイト更新やUI改善、施策の検証を社内で完結できるようになったことで、改善サイクルのスピードが飛躍的に向上。リニューアル後、同社のEC運営は「自分たちで動かせる体制」へと大きくシフトしていきました。具体的には、同社では次のようなShopifyの機能と拡張性を活かし、段階的に運用最適化を進めています。

Shopify Flowでの業務自動化

受注後のステータス更新や在庫アラート、発送準備通知などのオペレーションを自動化。運用担当者の工数を削減し、少人数体制でも安定した運営を維持できるようになりました。

Shopify Emailによる配信コストの最適化

これまで外部MAツールに依存していたメール配信を、Shopify標準機能に切り替えました。キャンペーン配信やステップメール設計を社内で行えるようになり、配信コストを大幅に削減できています。

Shopify CDNによる画像管理の一元化と更新効率向上

商品画像やLP素材など、サイト内で使用する画像データをShopify上に集約したことで、素材共有やページ更新がスムーズになりました。「画像をShopify上に置いておけば、リンクを共有するだけで誰でも使えるのが便利です」(安田氏)

株式会社メビウス製薬 CXチーム 安田 零 氏

● Checkout Blocksによるチェックアウト導線の改善

Checkout Blocksは、チェックアウト画面や購入完了ページに案内や追加コンテンツをブロックとして差し込めるShopify提供の拡張アプリです。特にPlusプランでは、顧客の状態に応じた表示の出し分けが可能になり、購入体験を柔軟に最適化できます。

「後払いを使えるようにする前までは『Shopifyはカスタマイズの自由がない』という印象がありましたが、実際にはとても柔軟でした。標準でまかなえる範囲も広く、必要に応じて自社専用の拡張も加えられます」(高際氏)

CPA半減、継続率は約2倍へ。運用は「自走できる体制」に

ShopifyのPlus導入により、メビウス製薬は、次のような大きな成果を上げています。

【ShopifyのPlusプラン導入による成果】

  • 定期購入の継続率が約2倍に改善
  • 後払い併用により、広告CPAが約半減
  • システムコストを約1/3に削減
  • 運用コストは約1/5に削減

まず顕著だったのが、新規獲得効率の改善です。2025年1月のリニューアル直後はクレジットカード決済のみでしたが、4月に後払いを追加したことで、広告経由の獲得単価(CPA)は従来比で約半分に低下しました。クレジットカード決済だけでは取りこぼしていた層にリーチできるようになり、新規顧客の母数自体が広がったことが要因です。

また、購入後の継続率も改善しています。購入導線の改善により、初回から2回目・3回目へと継続する顧客比率は約2倍に伸長。LTVの底上げが始まっています。

「クレジットカード決済だけでは届かない層にアプローチできるようになったことで、結果的に購入できる人の数が増えました。CPAも経営目標の範囲に収まっています。あとは、客単価と継続率を伸ばしていくフェーズに入っているところです」(高橋氏)

さらに、運営体制にも大きな変化がありました。Shopify FlowやAPI連携を活用した業務自動化によって、受注処理や請求データの照合にかかる手作業を大幅に削減。以前は業務委託のエンジニア4〜5人体制でしたが、現在は2人で運用できるようになりました。結果として、システム費用は導入前の約3分の1、運用費全体では5分の1にまで抑えられています。

「外注や専任部署に依頼していた更新や施策が、社内メンバーで完結できるようになりました。浮いたリソースとコストを、次の施策に回せるようになったのは大きいです」(髙際氏)

運用改善が進んだことで、コスト構造自体もスリムになりました。以前は年間契約のMAツールなど、使い切れない機能に対して多くの固定費が発生していましたが、Shopifyでは必要なアプリを必要な分だけ利用できるため、ムダな固定費を抱えずに運用できる状態が実現しています。

「可変型サブスク」を軸に、グループ全体の成長へ

今回の可変型サブスクリプションモデルは、まだ立ち上がったばかりの段階です。今後は、顧客が続けやすい体験づくりとLTV向上に向けた改善を重ねながら、事業をさらにスケールさせていくと高橋氏は語ります。

「仕組みは整ったので、あとはスケールさせていくだけです。100〜150億円規模の事業を目指せると考えています。今回つくった『可変型×後払いサブスクリプションモデル』を日本の化粧品領域で、Shopifyを活用したスタンダードなモデルとして確立していきたいと考えています。私たちが先陣を切って成功事例をつくり、このモデルを形にしていきたい」(高橋氏)

また、メビウス製薬が所属する INSTYLE GROUP では、食品・アパレル・グッズ販売など複数のEC事業を展開しており、すでにそれらのストアでもShopifyによる運営が始まっているといいます。Shopifyがメビウス製薬だけでなく、グループ全体における持続的な成長の土台となりつつあるのです。

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