【2025年版】世界が注目するDTCブランド40選

卸売業者や小売店といった第三者を介さずに商品を販売するDTCモデルは、ブランドが顧客体験を全面的にコントロールできる、非常に魅力的な手法です。

しかしその一方で、DTC市場の競争は激化しており、無数のブランドが同じ顧客を奪い合っているのも事実です。その他大勢に埋もれてしまわないためには、独自の強みを打ち出す戦略が不可欠となります。

成功しているブランドは何が違うのか？どのブランドから何を学ぶべきか？この記事を読めば、その答えがきっと見つかるはずです。

DTCブランドとは？

DTC（Direct-to-Consumer）ブランドとは、小売店や卸売業者などの中間業者を介さず、最終消費者に直接商品を販売するビジネスモデルです。このアプローチにより、ブランドは商品の企画・製造から在庫管理、注文処理、そして顧客体験の全体にわたって、より大きな裁量と責任を持つことになります。

DTCは消費者にとって、より効率的でスムーズな購買体験を可能にします。米国のDTC EC市場の売上が2024年までに1,612億2,000万ドルに達すると予測されていることからも、その勢いがうかがえます。

DTCブランドの歴史

今日のDTC ECモデルはインターネットの普及によって確立されましたが、消費者への直接販売という考え方自体は、それよりずっと以前から存在していました。

インターネット以前にも直販は存在しました。1785年には牛乳配達、1886年にはAvonが女性セールスチームで美容品を販売。1946年にTupperwareがホームパーティでの直販を開始し、20世紀には衣料メーカーが卸を介ず自社小売を開設しました。

21世紀初頭にインターネット普及でModCloth、Bonobos、Warby Parkerといったデジタルネイティブブランドが誕生。過去10年では成功したDTCがポップアップや実店舗を開き、Nikeのような従来型ブランドも直販を探求し始めています。

注目のDTCブランド40選

1. Cuts Clothing

Cuts Clothingは、「スタイル」と「快適さ」を両立させた“ワークレジャー”という新しいアパレルジャンルを確立しました。同ブランドは野心的なミレニアル世代をターゲットに、「ビジネスというスポーツで競い、勝利する人々をインスパイアする」というミッションを掲げています。

創業者兼CEOのスティーブン・ボレッリ氏は、ポッドキャスト番組「The Sport of Business」を主催し、起業家や投資家、トップアスリートをゲストに迎えています。また、プロアスリートが商品を着用する様子をSNSに投稿するなど、ブランドが掲げる「野心」と「成功」の世界観を一貫して伝えています。

DTCコンサルタントであり投資家のニック・シャルマ氏は、自身のニュースレターでCuts Clothingを次のように評価しています。「今まさにジョガーパンツを履いているが、これまでで最高に快適なパンツだ。スウェットのようにリラックスできるのに、外出や会議にも十分通用するデザイン性を備えている」。

2. Marc’s Magic Rub

Marc’s Magic Rubは、リブやチキンウィングからサーモン、ポップコーンまで、あらゆる料理に使える調味料ブランドです。ブランド名は、59歳でがんにより亡くなった創業者の父、マーク氏への敬意を表しています。バーベキューをこよなく愛した父を称え、その思い出を受け継ぐことが、このブランドの原点です。

商品は、ブラウンシュガーをベースにガーリックやカイエン、マジョラムなどをブレンドしたオリジナルとスパイシーの2種類のみ。ウェブサイトのデザインもミニマルで、食と家族への愛情に満ちたストーリーが一貫して伝わってきます。

3. Blume

Blumeは、カルダモンやターメリック、霊芝、ラベンダーなどをブレンドしたラテ用のパウダーを販売するウェルネスブランドです。毎日のコーヒー習慣にヘルシーな要素を取り入れたい、でも人工的なシロップや香料は避けたい、というミレニアル世代やZ世代のニーズを的確に捉えています。

Blumeとのあらゆる接点は、心弾むような体験に満ちています。カテゴリーページはどの商品にどんな効果があるかを一目で伝え、商品写真は思わず味を想像してしまうほど魅力的です。そして何より、「あなたのブレンドを見つけるお手伝いをします！」といった遊び心あふれるコピーが、ブランドの個性を際立たせています。

4. Yellow Beauty

Yellow Beautyは、ターメリックを主成分とするスキンケアブランドです。自然派スキンケア市場が年率6.6%で成長する中、同ブランドは「ターメリック」という一つのキー成分に特化することで、確固たる地位を築いています。

この一点集中戦略がブランドを際立たせ、鮮やかな黄色のビジュアルがその記憶を強烈に印象付けます。カラフルな写真や動画、パッケージ、アニメーション、そしてウェブサイトのボタンやアイコンに至るまで、Yellow Beautyの世界観は細部にまで徹底されています。

5. Halfdays

Halfdaysは、「機能性」「フィット感」「スタイル」を兼ね備えた女性向けスキーウェアブランドです。かさばりがちでファッショナブルとは言いがたい従来のスキーウェア市場に、「新しい風を吹き込む」ことを目指しています。

Halfdaysの魅力は製品だけにとどまりません。スキー好きが集まるSlackコミュニティを運営し、情報交換やオフラインでの交流の場を提供。さらに、ウェブサイトには「スキーを早退する言い訳ジェネレーター」を設置するなど、遊び心あふれるアプローチでファンを増やしています。

6. Pulp Pantry

Pulp Pantryは、ジュースを絞った後に残る野菜や果物の繊維（パルプ）をアップサイクルして作られた、クランチーなチップスです。アメリカでは食料の約40%が廃棄されるという社会課題に対し、フードロス削減という明確なミッションを掲げています。

地球に優しいだけでなく、豊富な食物繊維を手軽に摂取できる点も魅力です。ウェブサイトやSNSでは、アースカラーを基調としたデザインとストレートなコピーで、その理念を一貫して伝えています。ロサンゼルスのファーマーズマーケットから始まったこのブランドは、人気番組「Shark Tank」への出演を機に、全米のホールフーズなどで販売されるまでに成長しました。

7. Joggy

Joggyは、フルスペクトラムCBDを配合した植物由来のエナジーサプリメントです。CBD市場が急成長する中、Joggyは3つの独自戦略で差別化を図っています。

第一に、黒を背景にネオンカラーを配した、大胆でユニークなビジュアル。第二に、ランニングなどのアクティブなライフスタイルをサポートするという明確なポジショニング。そして第三に、Web3技術を活用したコミュニティです。メンバーはコインやコレクティブルを通じて、Joggyの未来を共に創っていくことができます。

8. DEUX

DEUXは、ヴィーガンかつグルテンフリーのクッキー生地ブランドです。精製糖や保存料を使わず、亜鉛やビタミンC、マカといった健康をサポートする成分を加えているのが特徴です。これにより、DEUXは「スイーツ」と「健康食品」という2つのカテゴリーを巧みに融合させています。

鮮やかな色彩、ウィットに富んだコピー、そして既存の食品業界に対する少し挑戦的な姿勢で、罪悪感なく楽しめるスイーツという新しい市場を切り拓いています。

9. The Ridge

The Ridgeは、ミニマルな金属製ウォレットのブランドです。オンラインストアは「ウォレット」と「キーケース」の2カテゴリーのみで、商品はわずか数十点。その潔さがブランドの哲学を物語っています。

The Ridgeをユニークにしているのは、その大胆不敵なTwitterアカウントです。革製やマジックテープ式の分厚い財布をジョークの対象にし、ミームやポップカルチャーを巧みに引用しながら、自社製品のシンプルさと耐久性をアピール。多くのフォロワーを楽しませながら、ファンを増やし続けています。

10. Three Ships

Three Shipsは、「市場で最も効果的で透明性の高いビューティーブランドであること」を目指す、自然派スキンケアブランドです。少ない製品と成分でより良い結果を出す「効果性」と、成分の働きや調達先を明確にする「透明性」を哲学としています。

同社の最大の強みは、熱心な顧客コミュニティ「The Fleet」です。メンバーは友人や家族に割引コードを紹介でき、紹介経由の顧客はライフタイムバリュー（LTV）が150%も高いというデータもあります。共同創業者のローラ・バーゲット氏は、「最高のマーケティング戦略とは、人々が思わず他人に話したくなるような素晴らしい製品を持つことだ」と語ります。

11. MUD\WTR

MUD\WTRは、マッシュルームを主原料としたコーヒー代替ドリンクのブランドです。「朝用」と「夜用」の2種類があり、コーヒーのような集中力やエネルギーをもたらしつつ、免疫力サポートなどの付加価値を加え、コーヒー特有の気分の高ぶりや不安感がないことを特徴としています。

ブランドのミッションは、顧客をカフェイン依存から解放すること。製品ページやFAQ、コーヒーデトックスプログラムといったあらゆるコンテンツでその哲学を伝え、サイケデリック研究への寄付を行うなど、社会的なメッセージも発信しています。

12. Feastables

Feastablesは、1億人以上のチャンネル登録者数を誇るYouTuber、MrBeastが立ち上げたスナックブランドです。Feastablesを際立たせている第一の要素は、その圧倒的に大胆なビジュアル。ウェブサイトはカラフルで、遊び心のあるコピー（例えば、売り切れ商品を「君がアーモンドを全部食べちゃった」と表現する）に満ちています。

第二に、わずか5つのシンプルな原材料で作られているという、製品そのものの魅力。そして第三に、MrBeast自身の絶大な影響力です。彼が公開した「ウィリー・ウォンカのチョコレート工場を再現する」という動画は、Feastablesの新商品に触れながら、わずか2ヶ月で9,000万回以上再生されました。

13. Blueland

Bluelandは、詰め替え可能なボトルとプラスチックフリーのタブレットを組み合わせた、エコフレンドリーなホームケア・ボディケア製品のブランドです。洗剤のボトルやソープディスペンサーを一度購入すれば、あとは中身を補充するだけ。この革新的なアプローチで、家庭から出るプラスチックごみの削減に貢献しています。

Bluelandの環境へのコミットメントは製品だけにとどまりません。2022年夏には、どのブランドの製品であっても、リサイクル方法をTwitterで質問すれば同社が回答するというユニークなサービスを開始し、大きな話題となりました。

14. G FUEL

G FUELは、ゲーマーやeスポーツ選手に特化したエナジードリンクブランドです。「カジュアルなゲーマーからコンテンツクリエイター、プロ選手まで」あらゆる人々にエネルギーと集中力を提供することを目的としています。

G FUELは、PewDiePieのような著名なゲームクリエイターとのパートナーシップや、ソニックやスパイダーマンといった人気ゲーム・コミックとのコラボレーションを通じて、ユニークなフレーバーや製品を次々と生み出しています。30万人以上の顧客から5つ星評価を受け、SNSの総フォロワー数は10億を超えるなど、熱狂的なコミュニティを築いています。

15. Pepper

Pepperは、AA、A、Bカップといった小胸サイズの女性に特化したブラジャーブランドです。タグラインは「小さい胸のためのブラ」。ウェブサイトのコピーは、ターゲット顧客の心に深く響くものばかりです。

「もうカップの隙間に悩まない」「自分を小さく感じる必要はない」「ただアンダーワイヤーを小さくしただけじゃない」。こうした言葉の数々は、単なる製品の機能的価値を超え、自信やボディポジティブといった感情的な価値を顧客に提供しています。豊富なビジュアルと、従来品のブラジャーとの比較も、そのメッセージを力強く裏付けています。

16. Liquid Death

Liquid Deathは、缶入りの飲料水ブランドです。「水」という最もコモディティ化された製品を扱いながら、そのブランディングは極めてユニークです。「君の喉の渇きを殺せ（Murder your thirst）」というタグラインを掲げ、スクロールする指を思わず止めてしまうような、クリエイティブなキャンペーンを次々と打ち出しています。

例えば、コメディアンを起用したフィットネスビデオ（実際にはチップスをディップしたり、チキンウィングを食べたりするだけ）や、自社の水とイカ墨やロブスターソースといった「地球上で最も高価な飲み物」を比較する味覚テストなど、その手法は常に常識の斜め上をいきます。プラスチック汚染削減への貢献という真摯な側面も持ち合わせています。

17. Knix

Knixは、「誰もがもっと心地よく過ごせるように」という理念を掲げるアンダーウェアブランドです。日常使いのブラから吸水ショーツ、マタニティウェアまで、幅広い製品を展開しています。

Knixが優れている点は2つあります。第一に、多様な年齢、肌の色、体型をありのままに表現していること。そして第二に、ユーモアとインスピレーションに満ちたSNS戦略です。特にTikTokでは、製品のベネフィットを面白おかしく伝えたり、撮影の舞台裏を見せたりすることで、多くのファンを魅了しています。

18. Diaspora

Diasporaは、スパイスの歴史や生産地に光を当て、サステナブルな方法で調達することにこだわるスパイスブランドです。創業者でありCEOのサナ・ジャヴェリ・カードリ氏は、公正な直接取引こそが、植民地主義の歴史を乗り越える道だと信じています。

そのため、各製品ページにはその起源や収穫年が詳述され、一般的な市場価格、フェアトレード価格、そしてDiasporaが支払う価格が明記されています。その目的は、美味しさを食卓に届けること、そしてそれを公正な方法で実現すること。鮮やかなビジュアルも、その情熱的なメッセージを力強く伝えています。

19. Braxley Bands

Braxley Bandsは、「史上最高に快適なApple Watchバンド」を謳うブランドです。伸縮性があり、洗濯も可能で、数十種類もの豊富なカラーとパターンが揃っています。2017年に大学のマーケティングの授業のプロジェクトとして始まり、2019年には月商10万ドルを達成しました。

同社は、製品への期待感を高めるのが非常に巧みです。SMS登録者限定で新製品へのVIPアクセスを提供したり、3つのバンドがランダムに入った「ミステリーボックス」を販売したりと、顧客を飽きさせません。ハロウィンには、自社のバンドの仮装をした顧客にギフトカードを贈るコンテストも開催。優勝者にはApple Watchが贈られるなど、顧客の創造性を刺激する企画で熱狂を生み出しています。

20. Cometeer

Cometeerは、抽出したコーヒーを瞬間冷凍したカプセルを販売するブランドです。お湯やミルクを注ぐだけで、バリスタ品質のコーヒーがいつでもどこでも楽しめます。この手軽さと品質の両立が、Cometeerの最大の魅力です。

見た目は一般的なコーヒーマシン用のカプセルに似ていますが、使い方は全く異なります。ホット、アイス、カクテルなど、様々な楽しみ方ができるのも特徴です。同社は「友人紹介プログラム（紹介した側・された側双方に25ドル割引）」やギフト購入オプションを用意し、口コミでの顧客獲得を重視しています。

21. Casper

Casperは、「ベッド・イン・ア・ボックス（箱詰めマットレス）」という革新的なコンセプトで、寝具業界に革命をもたらしたDTCブランドの先駆けです。オンラインでマットレスや寝具を直接販売することで中間コストを削減し、競争力のある価格を実現。巧みなマーケティング、睡眠科学へのこだわり、そしてリスクのない試用期間を提供することで、多くの競合を生み出すほどの成功を収めました。

22. Glossier

Glossierは、自然な美しさを引き出すスキンケアとコスメのブランドです。ミニマルな美学、インスタ映えするパッケージ、そして何より顧客との対話を重視するコミュニティ主導のアプローチで、ミレニアル世代を中心に熱狂的なファンを獲得しています。SNSでの強い存在感とUGC（ユーザー生成コンテンツ）の活用が、その成功の大きな要因です。

23. Away

Awayは、USB充電器を内蔵した、洗練されたデザインと耐久性を兼ね備えたスーツケースで旅行業界に変革をもたらしました。ミニマルなデザイン、生涯保証、そして現代の旅行者の心に響く巧みなマーケティングが特徴です。単なる製品ではなく、「旅」というライフスタイルそのものをブランド化するアプローチで、他社との差別化に成功しています。

24. Everlane

Everlaneは、「徹底的な透明性」という哲学を掲げるアパレルブランドです。製品の原価構造や生産工場をすべて公開することで、消費者が情報に基づいて賢い選択をできるよう後押ししています。ミニマルなデザインと、倫理的かつ高品質なものづくりへのコミットメントが、意識の高い買い物客から強い支持を得ています。

25. Stitch Fix

Stitch Fixは、データ駆動のアルゴリズムとプロのスタイリストの知見を融合させた、パーソナルスタイリングサービスです。顧客の好みやサイズ、予算に応じてキュレーションされた衣類やアクセサリーのボックスを直接届けます。テクノロジーとファッションを組み合わせ、AIによるトレンド予測とスタイリストによるパーソナルな提案を両立させている点が、このサービスの最大の魅力です。

26. Warby Parker

Warby Parkerは、スタイリッシュなメガネやサングラスを手頃な価格で提供するDTCアイウェアブランドです。「自宅で試着」プログラムや、「1本購入されるごとに、もう1本を支援が必要な人へ」という社会貢献プログラムが特徴です。オンラインと実店舗を融合させた顧客中心のアプローチで、業界の常識を覆しました。

27. Dollar Shave Club

Dollar Shave Clubは、高品質なカミソリを低価格のサブスクリプションモデルで提供し、シェービング市場に衝撃を与えました。中間業者をなくすことで価格を抑え、ユーモアあふれる広告で現代の男性の共感を獲得。現在はグルーミング製品全般へと事業を拡大しています。

28. Biossance

Biossanceは、クリーンかつヴィーガンな処方にこだわるスキンケアブランドです。特に、成分が肌に与える影響やその調達方法について、消費者を教育することに力を入れています。ブログ「Lab Notes」では100を超える記事を公開し、詳細な成分ライブラリも提供。専門の教育ディレクターを置くなど、知識に基づいた意思決定をサポートする体制を構築しています。

29. Ten Little

Ten Littleは、子ども向けの衣類、おもちゃ、食事用品などを扱うブランドです。「一人ひとりの子どもはユニークで、常に成長している」という考えのもと、画一的な製品選びからの脱却を目指しています。クイズに答えるだけで子どもの足に合った靴のサイズや発達段階がわかるツールや、専門家が監修した子育てに関する情報プラットフォームを提供し、保護者の悩みに寄り添います。

30. August

Augustは、生分解性の素材で作られた生理用品のブランドです。製品の個別購入に加え、月ごと・四半期ごとの定期便やカスタムバンドルにも対応しています。同社のミッションは、「社会貢献」「サステナビリティ」「文化の変革」の3つ。製品販売を通じて生理の貧困問題に取り組み、環境に配慮し、生理に関するオープンな対話を促すことで、社会にポジティブな変化を生み出そうとしています。

31. Appointed

Appointedは、手帳やノート、カレンダーといった文具のブランドです。ワシントンD.C.にある旗艦店は生産スタジオに隣接しており、オンラインとオフラインの両方で顧客に製品を届けています。製品カバーへの名入れオプションや、細部までこだわり抜いた美しいデザインが特徴です。実店舗は、「全ラインナップを体験できるだけでなく、創造性と発見に満ちた没入感のある空間」として設計されています。

32. Glamnetic

Glamneticは、つけ爪やマグネット式のつけまつげで知られるビューティーブランドです。最大の強みは、Facebook、Instagram、TikTokといったSNS上で直接商品を販売する「ソーシャルコマース」です。創業者であるアン・マクフェラン氏自らがライブ配信を行い、製品デモや限定割引を提供。SNSコミュニティとライブコマースの相乗効果で、わずか1年で売上を100万ドルから5,000万ドルへと急成長させました。

33. Caraway

Carawayは、テフロンなどの有害物質を使用しない、ノンスティック調理器具のブランドです。創業者自身のテフロン中毒の経験から、「安全な調理器具を消費者に届けたい」という思いで立ち上げられました。安全性や機能性はもちろん、どんな家庭にも馴染む美しいカラーとディテールも魅力です。セット商品には収納オーガナイザーが付属しており、利便性も考慮されています。

34. JuneShine

JuneShineは、ハードコンブチャ（アルコール入りコンブチャ）と缶カクテルのブランドです。「食べるものについてはよく知っているのに、なぜ飲むものについては知らないのだろう？」という問いから、その醸造は始まりました。製品は全米に出荷されていますが、カリフォルニアにあるテイスティングルームでのリアルな接点も重視。新製品のローンチパーティや毎週のクイズナイトなど、コミュニティを育むイベントを積極的に開催しています。

35. Hint

Hintは、製品のバンドル販売戦略に長けたフレーバーウォーターのブランドです。例えば、新規顧客向けのバンドルは、36本入りで通常より45%もお得な価格設定。あらかじめフレーバーが選ばれているため、顧客は「選ぶ手間」から解放されます。この戦略は、平均注文額（AOV）を高く維持しつつ、顧客に多様な製品を試してもらう機会を提供する、双方にとってメリットのある優れた手法です。

36. Lovevery

Loveveryは、子どもの発達段階に合わせて専門家が設計したおもちゃが届く、プレイキットのサブスクリプションサービスです。「私たちはあなたのためにすべてのリサーチをしました」というホームページの言葉通り、保護者が子どもの発達について悩む負担を軽減します。生後から4歳まで、2〜3ヶ月ごとに最適なおもちゃが届く仕組みで、長期的な価値を提供。有料の育児講座や無料のニュースレターも充実しており、遊びと学びを両面からサポートします。

37. Impact Dog Crates

Impact Dog Cratesは、高品質なアルミニウムを使用した、ほぼ破壊不可能な犬用ケージで注目を集めています。特に力の強い犬や、不安を感じやすい犬のために、脱走防止機能を備えた頑丈な設計が特徴です。折りたたみ式で持ち運びが簡単なモデルなど、革新的な機能も評価されています。DTCモデルにより、カスタマイズオプションを提供しつつ、競争力のある価格を維持しています。

38. Rest

Restは、最適な睡眠を追求するモダンな寝具ブランドです。革新的な睡眠テクノロジー、環境に優しい素材、そして個々の睡眠の好みに基づくパーソナライズされた提案で、他社との差別化を図っています。オンラインでのスムーズな購買体験と手厚い試用期間はDTCモデルの強みであり、製品以上の価値を顧客に提供しています。

39. Hismile

Hismileは、LEDデバイスやホワイトニングペンなど、SNSに親しんだ若い世代に響く、革新的な歯のホワイトニング製品を提供しています。オーストラリアで設立され、インフルエンサーマーケティングとUGC（ユーザー生成コンテンツ）を巧みに活用してブランド認知度を拡大。手頃な価格で自宅でできる本格的なケアを、洗練されたパッケージで提案しています。

40. Daily Harvest

Daily Harvestは、シェフが監修した、栄養価の高いプラントベースの冷凍食品（スムージー、ボウル、フラットブレッドなど）をサブスクリプションで提供しています。手軽に準備できる利便性と、栄養バランス、そして見た目の美しさで、健康食品市場において確固たる地位を築いています。

DTCブランドを際立たせる共通原則

11万社以上が存在すると言われる米国のDTC市場。その中で成功を収めているブランドには、いくつかの共通する戦略が見られます。

1. 強力なミッション：MUD\WTRの「カフェイン依存からの脱却」や、Pulp Pantryの「フードロス削減」のように、明確なミッションがブランドの羅針盤となっています。
2. 革新的な製品：DEUXやCometeerのように、まだ競合が少ない領域で、ターゲット顧客が求める革新的な製品を開発しています。
3. 共感を呼ぶバックストーリー：Marc's Magic Rubのように、創業者の個人的な物語が製品に意味と記憶を与え、顧客の心を掴んでいます。
4. クリエイティブなマーケティング：Liquid Deathのように、常識を覆すクリエイティブで、コモディティ製品ですら忘れられないブランド体験を創出しています。
5. 専門知識のハブとなる：BiossanceやTen Littleのように、教育的なコンテンツを徹底的に提供することで、顧客が疑問を持ったときに最初に訪れる信頼できる情報源となっています。
6. 明確なポジショニング：G FUELがeスポーツやゲーム市場に特化したように、特定の顧客層に対して自社製品が最も魅力的な選択肢であると明確に打ち出しています。
7. ユニークなトーン＆ボイス：The Ridgeのように、大胆でウィットに富んだブランドの「声」が、製品を記憶に残るものにしています。

成功しているDTCブランドは、これらのうち1つを中核とし、さらに1〜2つを補強戦略として組み合わせている場合がほとんどです。

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出典: 40 Direct-to-Consumer Brands To Explore (2025)