商品の売り上げ拡大やブランドの認知向上を目指すうえで、マーケティングと広告はどちらも極めて重要です。しかし、この二つは混同されがちで、状況によっては同じ意味で使われる場合もありますが、実際には異なる概念です。
この記事では、マーケティングと広告の違いと、それぞれの定義を詳しく説明するとともに、両者がどのような関係にあるのかを解説していきます。両者の特長を活かして事業戦略を強化し、自社のさらなる成長を実現していきましょう。

マーケティングと広告の違いとは?
広告もマーケティングも、商品・サービスやブランドを広く消費者に周知し、販売利益を得るために企業と顧客との接点を作ることが目的ですが、広告はマーケティングの目標を達成するための一つの手段であり、マーケティング活動に含まれます。。
マーケティングが商品やサービスを通して顧客と共に価値を生み出すための仕組みづくりの活動すべてであるのに対し、広告はマーケティングの一部として、多くの消費者に商品・サービスやブランドを伝える役割を担っています。
マーケティングでは、4P(製品、価格、場所、プロモーション)という要素を考慮し、商品の販売やブランドの認知、継続的な顧客関係、価値創造に関わる戦略を立てていきます。広告は、その中の「プロモーション」の段階でよく使用されるマーケティング手法の一つです。マーケティングで収集した消費者の悩み・ニーズ・行動など多数のデータを元にターゲットを決定し、広告に割く予算を決め、広告を掲載する媒体を選択し、購買意欲を高める情報を伝えるための戦略を立てて実行します。
マーケティング目標によって効果的な広告の打ち出し方は変わってくるため、まずはマーケティングの目標と戦略を明確に立てたうえで、広告戦略を策定しましょう。
広告戦略の運用中も、消費者の反応を観察するため情報収集を頻繁に行い、課題を発見するたびに改善を繰り返すサイクルが重要です。

マーケティングと広告の定義
それぞれの定義も確認して理解を深めましょう。
マーケティングとは
マーケティングとは、企業が提供する商品・サービスを通して顧客と一緒に価値を創造していくための活動全体を意味します。
公益社団法人日本マーケティング協会が発表した定義(2024年)によると、マーケティングとは「顧客や社会と共に価値を創造し、その価値を広く浸透させることによって、ステークホルダーとの関係性を醸成し、より豊かで持続可能な社会を実現するための構想でありプロセス」とされています。
この定義が発表される前のマーケティングは、商品を売るための仕組みを作る活動という理解が一般的で、主に消費者に商品を認知させ、購買につなげるための取り組みでした。しかし近年では、商品・サービスによってどのように消費者の悩みを解決するのかを考え、市場調査や商品決定などの準備段階から、販売した後のサポートや顧客関係を継続し、価値を生み出し続けるための企業活動すべてを包含する概念として捉えられています。
企業はマーケティングを行うことで効率的な営業が可能になるだけでなく、変化する顧客ニーズへの迅速な対応や、期待通りに効果が出ない場合の軌道修正も容易になります。
広告とは
広告とは、商品・サービスやブランドイメージなどの認知向上、購買意欲の喚起を目的とした宣伝活動です。テレビCM・新聞広告・雑誌・ポスター・インターネット上など、さまざまな場所や媒体で展開され、基本的には企業がメディアの提供する有料の枠を購入して広告を打ち出します。
一般社団法人日本広告業協会の定義では、広告とは「明示された送り手が、選択された受け手に対して知識を与えたり、送り手にとって望ましい態度・行動を形成したりする目的で、媒体を介して行う、有料のコミュニケーション活動」とされています。
広告を通じて多くの消費者に情報を届けられるため、商品・サービスだけでなく企業やブランド自体の認知拡大も期待できます。戦略的に運用することで、売り上げの向上だけでなく企業のイメージアップにもつながる可能性があります。
まとめ
マーケティングとは、企業から顧客へ商品・サービスを提供することによって顧客と共に価値を創造するために行う活動全般のことであり、すべての広告はマーケティングに包含されています。企業はマーケティング戦略の一部として、商品・サービスやブランドを消費者に広く宣伝するために広告を展開します。
マーケティングがなければ広告を効果的に打ち出すことができず、広告がなければマーケティングは多くの消費者に情報を届ける力が弱くなります。
マーケティングと広告の違いを正確に理解することによって、それぞれの強みを活かした戦略を立てることができ、自社の成長を後押しできるでしょう。
両者の関係を正しく把握し、マーケティングの目標と戦略を明確にしたうえで広告戦略を立てましょう。
よくある質問
マーケティングと広告の違いは?
- マーケティング:商品やサービスを提供することを通して顧客と共に価値を創造するために行う企業活動全般のことを表す用語で、市場調査、商品開発、価格設定、プロモーション、流通、アフターケアなど多くの活動が含まれる
- 広告:商品・サービスやブランドの認知向上と顧客の購買促進を目的とした、主に有料の枠を購入して行われる宣伝であり、マーケティング活動の一環として包含されている
マーケティングと広告の類似点は?
- どちらも商品・サービスやブランドを広く消費者に周知し、販売利益を得るため企業と顧客との接点を作ることが目的
- 消費者の悩み・ニーズ・行動など多数のデータを元にターゲットを決定し、購買意欲を高める情報を伝えるために戦略を立てて実行する点
- 常に消費者の反応に関する情報を収集し続け、課題を発見するたびに改善を繰り返していくサイクルを重要な要素として運用される点
マーケティング戦略を具体的に立てることで広告の効果は上がる?
マーケティング戦略で収集した市場や顧客のデータを深く考察すれば、ターゲット像が明確になり、競合との差別化要因も見えてきます。その結果、媒体の選択や展開する期間などを決定する客観的な根拠を得られます。これにより、広告の意図が正しくターゲットに伝わりやすくなり、費用対効果の向上が期待できます。
また、ブログや動画などのコンテンツを制作して広告で拡散したり、広告の内容をブログ等で補ったりといった、マーケティングの他の要素との連携も有効です。
マーケティングの主な種類は?
マーケティングは、主に2つの種類に分けられます。一つは、ブログやSNS、動画、メルマガなど企業が発信する情報やコンテンツを通じて有益な情報を発信し、興味を持つ顧客を増やしていくインバウンドマーケティング(プル型マーケティング)です。もう一つは、テレビCMや新聞広告などの有料広告やメール、電話などを通じて、企業から潜在顧客に対して、企業側のタイミングで伝えたいメッセージを発信するアウトバウンドマーケティング(プッシュ型マーケティング)です。
広告の主な種類は?
テレビ・ラジオ・雑誌・新聞などの媒体を通じて幅広い層に商品・サービスを周知する手段として効果的なマス広告、オンライン上で展開されるWeb広告、そして、それ以外の販促活動を意味するセールスプロモーション広告(SP広告)の3つに大きく分けられます。
文:Tomoyo Seki





