ネットショップを運営するうえで、EC物流について理解を深めておくことはとても大切です。特に「商品の配送方法」は、利益を左右する重要なポイントです。商品の種類や大きさ、重さ、配送日数などによって最適な配送方法は異なるため、自社の商品に合った方法をしっかり見極めましょう。
この記事では、日本郵便・ヤマト運輸・佐川急便・DHL・FedEx・UPSを中心に、国内外で利用できる主要な配送方法をわかりやすくまとめました。ポスト投函できるメール便から海外発送に対応した国際便まで、さまざまな配送方法を紹介します。ネットショップの商品やお客様に最適な方法や送料を決める際の参考にしてください。
1. 普通郵便

普通郵便は日本郵政の配送サービスで、サイズや重量によって「定形郵便」「定形外郵便」の2種類に分けられます。いずれも2〜3日で配送できます。
定形郵便
- 定形郵便は日本郵便の普通郵便の一種で、50g以内の薄く軽い書類や招待状、ステッカーなどを全国各地へ110円で送る方法です。規格内であればポスト投函ができ、手軽に発送できます。ただし、追跡や補償は基本的にありません。必要な場合は、「書留」オプションを利用しましょう。封筒やテープの重さも料金判定に含まれるため、発送前に重量とサイズを確認する必要があります。
定形外郵便
- 定形郵便のサイズを超える荷物を送る際に利用できる普通郵便の一種が定形外郵便です。小物や衣類、軽い雑貨などをできるだけ安く発送したい場合に利用されます。荷物の大きさや重さによって「規格内」と「規格外」に分かれ、規格外になると配送料が高くなります。ポスト投函も可能ですが、重さやサイズが上限を超える場合は郵便局の窓口で手続きを行う必要があります。
2. メール便

メール便は、小型の荷物をポストに投函して送る配送サービスです。料金はサービスごとに異なりますが、配送する荷物の重さに応じて180〜450円程度に設定されています。送れる荷物のサイズや重さも業者ごとに異なり、基本的には縦30cm前後・横20cm前後・厚さ3cm前後、重さは1kg以内とされています。
日本で広く使われているのは、下記の7つです。
ゆうメール
- ゆうメールは日本郵便が提供する印刷物専用の配送サービスで、郵便局やポストから差し出せます。書籍やカタログ、CD・DVDなどを全国一律料金で2〜3日ほどで送ることができ、コストを抑えることができます。信書は送れませんが、送り状や添え状など封をしていない書類は同封できます。内容物が確認できるよう、一部を開けておくか、透明窓を設ける必要があります。
クリックポスト
- クリックポストは、小型商品の発送に適した日本郵便のサービスです。ゆうメールよりさらに小さなものを配送することができます。全国一律185円、1〜2日で配送できるのが特徴です。自宅で運賃の支払いと宛名ラベルの作成ができ、プリントしたラベルを貼ってポストに投函するだけで発送できます。追跡機能が付いており、休日も配達されるため、フリマアプリやネットショップでの発送に便利です。
ゆうパケット
- ゆうパケットも日本郵便の配送サービスで、衣料品や化粧品などの軽くて小さな商品を1〜2日で送るのにぴったりです。厚さに応じた3段階の料金設定になっており、全国どこへ送っても料金は同じです。追跡サービス付きで配達状況を確認でき、土日や祝日も配達されます。
レターパック
- レターパックライトは、日本郵便が提供するメール便のひとつで、比較的大きな商品の配送に適しています。A4サイズで、厚さ3cm以内・重さ4kgまでの荷物を送れます。追跡番号で配達状況を確認できる点も特徴です。
ネコポス
- ネコポスはヤマト運輸が提供する小型荷物専用の配送サービスで、一部地域を除き全国へ翌日配達できるのが特徴です。法人や個人事業主、契約済みの個人利用者が対象です。利用料金は契約内容により異なりますが、全国一律に設定されています。
飛脚メール便
- 飛脚メール便は佐川急便が提供する法人向けの配送サービスで、雑誌やカタログなどの印刷物を全国へ低コストで送ることができます。法人間の取引や定期発送に向いており、軽量な資料やパンフレットなどをまとめて送りたい場合に便利な方法です。また、バーコードによる追跡機能も備わっています。
飛脚ゆうメール便
- 飛脚ゆうメール便は、佐川急便が差出人となり、郵便局を通じて配達されるサービスです。雑誌やカタログ、CD・DVDなどを対象としており、3kg以内の小型荷物に対応しています。追跡サービスは利用できませんが、郵便局の転居・移転情報に基づき、正確に届けられるようになっています。
3. 宅配便

宅配便は、1〜3日程度で自宅や指定先まで荷物を届けてくれる配送サービスです。さまざまな荷物の大きさや重さに対応しており、配達員が手渡しで確実に届けてくれます。対応できる荷物サイズの目安としては、荷物の縦・横・厚さ3辺の合計が170cm以内、重さ30kg以内です。サービス料金は荷物の大きさや配送距離によって異なりますが、800〜10,000円程度に設定されています。
ゆうパック
- ゆうパックは、日本郵便が提供する全国対応の宅配サービスです。荷物は自宅からでも郵便局やコンビニからでも発送できる配送方法です。荷物の大きさや配送地域によって料金が変わり、損害賠償制度(最大30万円まで)も付帯しています。土日・祝日も配達され、Webからの集荷申込みも可能です。重い荷物や贈答品の発送、ネットショップでの利用にも適しています。
宅急便
- 宅急便は、ヤマト運輸が提供する日本国内向けの配送サービスです。全国どこへでも荷物を送ることができ、営業所・コンビニ・宅配ロッカーなどさまざまな方法で発送できます。会員サービス「クロネコメンバーズ」を利用すれば、持込割引やデジタル割引など、複数の割引制度も利用できます。荷物の補償は1個あたり最大30万円までで、対応サイズが縦・横・厚さの3辺合計が200cm以内までと、日本郵便より大きな荷物の配送にも対応しています。
宅急便コンパクト
- 宅急便コンパクトは、ヤマト運輸が提供する小型荷物向けの配送サービスです。宅急便よりも小さいサイズの荷物をお得に送ることができ、1個あたり最大3万円まで補償されます。発送には専用BOXが必要で、営業所やコンビニで70円で購入可能です。「クロネコメンバー割」や「デジタル割」など、各種割引サービスも利用できます。
飛脚宅配便
- 飛脚宅配便は、佐川急便の宅配サービスです。荷物の3辺の合計は160cm以内で、1個あたり30万円までの損害補償が付きます。スキーやゴルフバッグなどのレジャー用品の往復配送も可能で、クール便やラージサイズ便など用途に応じたサービスもあります。
4. 海外発送

海外発送とは、日本から海外の国や地域へ荷物や商品を送るサービスのことです。配送にかかる日数や料金は、荷物のサイズや届け先となる国によって大きく異なります。
日本で利用できるのは、主に下記6つの方法です。越境ECを視野に入れている場合は、海外発送を活用するとよいでしょう。
国際郵便
- 国際郵便は、日本郵便が提供している海外向け配送サービスです。書類から商品まで多様な荷物を世界中に送ることができます。配送スピードや料金に応じて「EMS」「国際小包」「小形包装物」の3種類に分けられています。EMSは最も早く、小形包装物は2kgまでの小型・軽量の荷物を安価に送るのに適しています。いずれのサービスにも、追跡機能が付いています。
国際宅急便
- 国際宅急便は、ヤマト運輸が提供する海外向けの配送サービスで、3辺合計160cm、25kg以内の贈り物や商品などを世界200以上の国と地域へ届けることができます。日本国内の宅急便とは異なり、国際輸送として扱われるため、各国の輸出入規制や関税が適用されます。UPSなど海外の提携業者と連携し、ドア・ツー・ドアで荷物を届けます。
飛脚国際宅配便
- 飛脚国際宅配便は佐川急便の海外発送サービスで、世界220以上の国と地域に荷物を届けます。3辺合計260cm以内、1梱包あたり50kg以内と、日本の配送業者としては比較的大きな荷物の配送に対応しています。飛脚国際宅配便には、商品などの小荷物を送る「スモールパーセル」と、書類や印刷物を送る「ドキュメントクーリエ」があります。地域や重量ごとに細かく設定された料金体系を採用しており、日本全国どこからでも統一運賃で発送できます。
DHL
- DHL(ディーエイチエル)は、世界220以上の国と地域に国際輸送ネットワークを持つグローバル物流企業です。1辺300cm以内、最大3,000kgまでの大型荷物を配送できるのが特徴です。
個人でも利用できる「DHL Express」は、国際スピード配送に特化し、ドア・ツー・ドアで荷物を安全に届けます。法人向けには「DHL Global Forwarding」があり、航空・海上・鉄道輸送を組み合わせて荷物を配送しています。すべてのサービスでオンライン追跡が可能で、貨物の状況をリアルタイムに確認できます。
FedEx
- FedEx(フェデックス)は、世界最大級の航空貨物輸送会社で、220以上の国と地域に最大長辺274cm、68kgまでの荷物を配送できます。特に時間指定配送に強みがあり、ビジネス貨物から個人の荷物まで幅広く対応しています。オンラインで荷物の追跡が可能で、最大1,000米ドルまでの高額貨物の輸送にも利用できます。
UPS
- UPS(ユナイテッドパーセルサービス)は、世界200以上の国と地域で国際輸送を展開する総合物流企業です。最長辺274cm以内、1梱包あたり70kgまでの荷物を1〜8営業日に配送できます。アメリカに本社を置き、世界で約49万人の従業員を擁し、1日あたり約2,240万個の荷物を取り扱っている実績があります。ビジネス貨物から個人の国際配送まで幅広く対応し、通関手続きや貨物追跡などのサポート体制も充実しています。重量物や大型荷物の輸送にも対応しています。
まとめ
ネットショップでは、商品に合った配送方法を選ぶことが利益を伸ばすうえで大切です。日本郵便の定形・定形外郵便は書類や軽い雑貨の発送に、メール便は小型商品の発送に適しています。宅配便ではより大きな荷物を配送できるほか、補償や追跡機能も充実しています。こうした配送方法の特徴やコスト、配送日数を理解しておくことで、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。
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配送方法に関するよくある質問
配送方法の一覧は?
- 定形郵便
- 定形外郵便
- ゆうメール
- クリックポスト
- ゆうパケット
- レターパック
- ネコポス
- 飛脚メール便
- 飛脚ゆうメール便
- ゆうパック
- 宅急便
- 宅急便コンパクト
- 飛脚宅配便
- 国際郵便
- 国際宅急便
- 飛脚国際宅配便
- DHL
- FedEx
- UPS
最も安価な配送方法は?
小さな荷物を送るなら「定形郵便」や「定形外郵便(規格内)」が最も安価で、重さ50g以内なら110円から利用できます。衣料品や小物などを全国一律料金で送りたいなら「クリックポスト(185円)」が最も安価です。宅配便のなかでは「宅急便コンパクト」が最も低価格で、650円から発送できます。
Shopifyで利用できる配送方法は?
Shopifyでは、日本郵便・ヤマト運輸・佐川急便・DHL・FedEx・UPSの配送サービスを利用できます。これにより、ゆうパックや宅急便、飛脚ゆうメールなど、各社の国内外の配送方法をShopify上で設定可能です。また、テワタシやテイクアウト&デリバリー .ampなどのShopifyアプリを利用することで、手渡しや店舗受取が可能になるローカルデリバリーも利用できます。送料を削減するためにも、各社の料金体系や追跡機能を比較し、商品の大きさや販売地域に合わせて最適な配送方法を選ぶことが大切です。
文:Yukihiro Kawata





